公営住宅のカギは誰にでも簡単に解錠できてしまいそうで怖い

koei_jyutaku私が誘ったことで仕事に目覚め、家庭より仕事を優先して、ついには離婚を決めてしまった女友達がいる。仕事と言ってもイタリア料理店のパート従業員なのだが、学生時代に飲食店のアルバイト経験があり、それが本人にとても合っていたようだ。私が誘い入れたのに、あっという間に私より使える人となり、オーナーからは絶大な信頼を得た。

ただ、安くうまいこと使われてしまっているという感は否めない。午前だけのパート勤務だったはずが、ランチも手伝い、日によってはお弁当の配達も行い、夜のお酒が出る時間にもお店に入り浸るようになり、家庭の方は崩壊してしまった。子どもが居なかったのがせめてもの救いだが、子どもがいたら、そもそも働かなかったし、家庭に生き甲斐を見つけられたのではないだろうか。

私が誘ったことが彼女の家庭を壊すきっかけになった気がして、負い目からも彼女の相談に乗っているのだが、離婚したはいいが、彼女の今後が心配だ。彼女はずっと旦那さんに守られていたので、世間を全くわかっていない。早く独り暮らしする部屋を探さなくてはいけないのに、公営住宅のカギは誰にでも簡単に解錠できてしまいそうで怖いとか、甘えたことを言っているのだ。そんな贅沢を言っていられる場合ではないし、彼女の場合、誰かが故意に鍵を開けなくても、うっかり自分が鍵を閉め忘れたり、違う鍵をさして無理やり壊したりしてしまう恐れの方が大きい。

お弁当配達用のお店の車をインロックしてしまうこと2回。食品倉庫の鍵を紛失するのも何度目だろうか。彼女はお客様のあしらいや気が利くという点では良い従業員だが、おっちょこちょいで不注意、物をよく無くすという、人間としての致命的な欠陥を抱えているのだ。その都度オーナーが鍵の業者さんを呼んで対応したりしているが、職場だけじゃなく独り身になった彼女は、今後本当に、やっていけるのだろうか。

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